業態転換支援事業とは? テイクアウトを始める飲食店が確認したい点を解説

2020年から続く新型コロナウイルスの感染拡大は、未だに収束の兆しが見えません。度重なる緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の実施による外出の自粛などで、痛手を受けている飲食店も多く見られます。そのような中で、新たな事業方針としてテイクアウトや宅配(デリバリー)、移動販売などに取り組んでいる飲食事業経営者の方も多いのではないでしょうか。
ここでは、新たな事業への転換を支援する業態転換支援事業の概要や、テイクアウトや宅配を実際に開始する際に確認しておきたいポイントについてご紹介します。
業態転換支援事業とは?

公益財団法人東京都中小企業振興公社では、新型コロナウイルス感染症による外出自粛要請などに伴い、売上が大きく落ち込んでいる都内中小飲食事業者に対して、「業態転換支援事業」を行っています。
支援の具体的な内容は、資本金の額または出資総額が5,000万円以下、従業員の数が50人以下の会社または個人事業主を対象に、「テイクアウト」「宅配」「移動販売」を始める際の一部経費を助成するというものです。助成限度額は最大100万円で、経費の5分の4以内の額が助成されます。
申請の最終受付日は令和3年(2021年)10月31日(日)なので、助成対象に該当する方は一度確認してみてください。(※2021年6月7日時点の情報です)
また、国の中小企業庁でも「事業再構築補助金」という支援を行っています。
新分野の展開や業態転換、事業転換に取り組む中小企業等が対象で、中小企業の「通常枠」を例に見ると、補助金額は従業員規模に応じて最大8,000万円、補助率は最大3分の2となります。
緊急事態宣言に伴い深刻な影響を受けた事業者の場合は、さらに補助率が大きい「緊急事態宣言特別枠」もあるので、そちらを活用するのも良いでしょう。
2021年7月30日(金)18時から、第3回の公募が開始されました。第3回の公募期間は2021年9月21日18時までとなっていて、申請の受付開始は8月下旬の予定です。
また、中小企業庁は第3回の公募締め切り後、さらに2回程度の公募を予定していると発表しています。(※2021年7月30日時点の情報です)
業態転換支援を申請する際の注意点
業態転換支援で助成の対象となる経費は定められています。対象となる経費の一例は以下の通りです。
・販売促進費(印刷物制作費、PR映像制作費、広告掲載費など)
・車両費(宅配用バイクリース料、台車など)
・器具備品費(Wi-Fi導入費、タブレット端末、梱包・包装資材など)
・その他(宅配代行サービスにかかる初期登録料や月額使用料、配送手数料など)
業態転換支援は、原則として2020年4月1日以降からの取り込みが支援対象で、従来からテイクアウトや宅配を行っていた場合は、助成金の対象とはなりません。
ただし、昔からテイクアウトをしているが、2020年4月1日以降に新たに宅配を始めたなど、異なる取り組みを行う場合は支援対象となります。(※2021年6月7日時点の情報です)
事業再構築補助金に関しては、補助対象要件は以下の通りです。
・2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上額が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること。
・経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った3~5年の事業計画書を認定経営革新等支援機関等と共同で策定すること。(※2021年7月30日時点の情報です)
詳細については必ず最新の情報を公式ホームページで確認したうえで、申請を行うようにしてください。
⇒業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業について
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/conversion.html
⇒事業再構築補助金について
https://jigyou-saikouchiku.jp
テイクアウトや宅配を始める際に確認したいポイント

従来、店舗にて飲食物の提供を行っていた事業主がテイクアウトや宅配を始める場合は、原則として新たな許可の取得は不要です。しかし、テイクアウトや宅配では調理したものをすぐに提供できるわけではないため、食中毒などのリスクを下げるために、普段とは異なる点に注意が必要です。
ここでは、テイクアウトを始める前に確認しておきたいポイントを4つご紹介します。
衛生管理の徹底
テイクアウトや宅配による飲食物の提供は、店内で提供する場合と比べて、調理してからお客様が口にするまでに時間がかかります。特に気温が上がる季節は食中毒のリスクが増すため、普段以上に徹底した衛生管理が必要です。
菌をつけない・ふやさない・やっつけるの3原則を基本として、HACCP(ハサップ)の考え方を取り入れた衛生管理に取り組みましょう。
衛生管理についての詳細は以下のPDFに記載していますので、併せてご確認ください。
⇒衛生管理に関するPDFはこちら
https://www.kenkomayo.com/pdf/takeout/takeout_vol1_01.pdf
メニューに応じた容器を選ぶ
テイクアウトや宅配を行う際は、料理を詰める容器選びも重要です。テイクアウトに使う容器は、お弁当型・ワンプレート型・BOX型の3種類に分けることができます。
容器ごとに見た目の印象や味移りへの影響、コストなどが異なるため、提供するメニューやお店の雰囲気に合わせた容器を選ぶようにしましょう。
⇒容器選びに関するPDFはこちら
https://www.kenkomayo.com/pdf/takeout/takeout_vol1_02.pdf
テイクアウトメニューの組み立て方の一例
店舗で飲食物を提供する場合と異なり、テイクアウトの際は、生ものや加熱が不十分になりやすいものなど、食中毒を引き起こす可能性が高い食材やメニューは避ける必要があります。
しかし、しっかり加熱したメニューだけでは見た目が地味になり、料理のバリエーションが減ることもあるでしょう。そのような場合は、低温殺菌済みで衛生的な、ケンコーマヨネーズのサラダや惣菜を活用するのがおすすめです。
惣菜を活用することで、見た目が良く、料理のバリエーションが豊富なテイクアウトメニューを組み立てられます。
⇒テイクアウトメニューの組み立て方に関するPDFはこちら
https://www.kenkomayo.com/pdf/takeout/takeout_vol1_03.pdf
色鮮やかな副菜でテイクアウトメニューを魅力的に
色鮮やかな副菜を添えて足りない色味をプラスすれば、テイクアウトメニューがより魅力的になります。
惣菜を活用して、好みの食材と混ぜ合わせるだけで簡単に作れるアレンジ副菜なら、手間をかけることなくメニューを華やかにできるので、ぜひお試しください。
⇒副菜アレンジに関するPDFはこちら
https://www.kenkomayo.com/pdf/takeout/takeout_vol1_04.pdf
新事業を開始する前にしっかりと準備しよう
テイクアウトや宅配といった事業を開始して、既に一定の成果を上げている事業者の方は多いかもしれません。テイクアウトや宅配では、店内での提供とは異なり料理を口にするまでに時間がかかるため、食中毒のリスクが増す恐れがあります。
従来、店舗で飲食物を提供していた方がテイクアウトや宅配を行う場合は、衛生管理やメニューの注意点を確認しておくことが大切です。
また、食肉加工品やパンなど、提供する飲食物によっては新たな許可が必要な場合や、地域による許可の違いもあります。必ず管轄の保健所などに確認したうえで実施しましょう。
魅力的なテイクアウトメニューを作るために、今回ご紹介した内容以外にもお役立ち情報が掲載されているこちらのページもぜひご覧ください。
⇒テイクアウト特集
https://www.kenkomayo.com/pro/pages/feature1_takeout_top.aspx